
第47回城戸賞 準入賞 一戸慶乃「寄生虫と残り3分の恋」
この度は貴重な準入賞をいただき、誠にありがとうございます。本作はふたつの恋の終わりと、ひとつの友情の芽生えを描いた作品です。主人公たちが未来で振り返ったとき、あの時間があったからこそこうして前に進めているんだ、と思える日々を描こうと筆を執りました。カップ麺が出来上がるまでの3分間くらいあっという間に過ぎ去った時間でも、彼らにとってなくてはならない瞬間を。
私自身も、登場人物たちのように遠回りをしてきた人生でした。思い出しただけで恥ずかしくなるような過去も多くあります。現在だってそうなのかもしれません。だからこそ、これからもコツコツと書き続けられたらと思います。今回、たくさんの課題が見つかりました。改めまして、誠にありがとうございました。
第47回城戸賞 準入賞 生方美久「グレー」
映画にするために書いた脚本です。映画脚本のコンクールなので当たり前ですが、でも、いままでで一番つよく「映画にするために書く」という気持ちで書きました。なので、入選に届かなかったことが悔しいし、まだ映画になる道が見えないことが辛いです。
映画にならない映画脚本ってなんだろう、と映画の日である12月1日、授賞式から帰る電車の中で考えました。「ただの文字じゃん」という結論しか出ませんでした。
脚本は映像のために書くものなのに、脚本が映像になるのは奇跡です。この先、何本の脚本を書いて、そのうち何本が映像になるんだろう、と考えると気が遠くなります。それでも書きます。書くのが好きだから、そしてなにより、映像作品が好きだからです。
今回準入賞をいただいた、その“文字”を読んで、何か感じてくれる人がいることを願います。脚本を書くことも、脚本を映像にすることも、諦めません。
第47回城戸賞 佳作 島田悠子「薄氷(うすらい)」
この度は応募作「薄氷(うすらい)」に佳作をいただき誠にありがとうございます。多くの方々の支えがあり、おかげさまで二年連続、三度目の受賞となりました。身にあまる光栄です。選考にて「薄氷」を評価してくださったみなさまに深く御礼を申し上げます。また、私の執筆を応援し、書き続けられる環境や強い気持ちを与えてくれる家族、友人に、あらためて心からの感謝を伝えたいと思います。
このコメントを読んでくださった方にお願いがあります。ぜひ、「薄氷」をご一読ください。ついでに昨年の「御命頂戴!」も。二つは同じ時代劇ジャンルですが、だいぶ別のテイストで描かれています。どちらの作品がお好みですか?「御命頂戴!」はキネマ旬報ウェブ版にてアーカイブされています。(たぶん。
私はいつも多くの方に物語を楽しんでいただきたいと願いを込め、私自身も楽しんで書いています。テイストが「本格」であれ「新感覚」であれ変わらないこの想いが、いつかスクリーン越しにみなさまのもとに届きますように。